デザイナーズマンションについて

そもそも「デザイナーズマンション」とは?

「デザイナーズマンション」という言葉が一般的に使われるようになったのは、80年代後半~90年代にかけての日本の不動産バブルの時期からです。

ここ数年の中国でも同じような現象が起こっていますが、国の経済全体が急激に上向くと不動産物件のような高額で取引がされる商品が活発に売買されるようになるため、居住用というよりむしろ投資対象のために作られる建物が増加してきます。

デザイナーズマンションでは一般に住居用に販売されている物件と少し異なり、まるでモデルルームやアート空間であるかのような奇抜で先進的なデザインをしていることが特徴となっています。

ただしなにをもってデザイナーズマンションであるかという定義は明確になっているわけではないので、販売者側が設計デザインを担当する人を厳選し、他と異なるインテリアを特徴として掲げているものを自称として呼ぶものとしています。

ほんとにあったデザイナーズマンション

日本のバブル以降になってみると、内装の芸術性にのみ意匠を凝らしたデザイナーズマンションの多くは売り残されてしまうようになってしまいました。

新たにリフォームをかけ利用者にとって便利な住宅に変えたケースが大半なのですが、中には「どうしてこんなデザインに?」というような不可思議な内装をしているものもあります。

実際にあったデザイナーズマンションの例としては、バスルームがリビングの中央にあり、かつ四方がガラス張りになっていたものや、内部の雰囲気重視で床と壁がすべてコンクリートづくりになっているものなどがあります。

他にも外観を損ねるのでベランダに洗濯物を干してはいけないと管理人に厳重に注意を受けたり、インテリアの置き方に制限がでるからと一切収納が部屋についていなかったりといった住む人の利便性を完全に無視した物件も存在していました。

もともと長く住むことを目的に作られた物件ではなかったとはいえ、本当に設計した人の意図を疑いたくなるようなものがあるのがデザイナーズマンションです。