子供に関するトラブル事例について

集合住宅におけるトラブルとして多く聞かれることの一つが子供に関するものです。

特に子育て世代にとって悩ましいのが、近所の人との騒音のトラブルです。

マンションではありませんが、2014年10月に起こった近所の保育園からの騒音に対し斧を振りかざして保護者を脅したという東京都国分寺市の事例は全国の子育て世代に大きな衝撃を与えました。

この事件の少し前から住宅地の中にある保育園の騒音に対して近所に住む人が苦情を告げるという事例は都内などの住宅密集地のある地域で起こっており、新たに建築する保育園は外壁に防音をして高く取り囲むようにしたり、昼間外に出て遊ぶときには子供たちに声を上げないように指導するといったかなり窮屈な環境を作り出すきっかけになっていました。

少子化が進む中、子供を育てている人を責める社会的風潮は実際のところ問題があるとは思いますが、ご近所トラブルとしてかなり一般的な項目であることは確実なので、出来る限り争いが起きないように気をつけていくことが大切と言えます。

マンションでは上下の階からの騒音が問題

マンションにおける子育てトラブルの中でも元も多いのは上階からの騒音です。

鉄筋コンクリート製のマンションであっても、上階で走り回ったり飛び跳ねたりすると下の階ではかなり響きます。

特に子供の場合には朝早くから起きて走り回ったりするようなことも多く、下の階で生活をする人の生活時間帯によっては安眠妨害など深刻な影響を与えてしまうことにもなります。

実際に起こった裁判事例としては東京地方裁判所で出された平成6年5月9日のものがあり、そこでは平均人の感受性を基準にして、その受忍限度を超えた騒音は振動は損害賠償の対象になると決定しています。

この判決のポイントは「受忍限度」というところにあり、一般的な集合住宅において起こる生活音などについてまで完全に出さないようにしなければいけないということではないということです。

騒音トラブルは子供に関すること以外にもよくあり、マンション内で徹夜マージャンをやっていた人の賃貸契約を大家側が一方的に解除したという例なども裁判例として残っています。

どの程度までが受忍限度になるかについては判断が難しいところですが、マンション内で騒音が気になる場合にはまず管理組合や大家を通して生活時間帯に配慮してもらうとともに、厚手の防音カーペットを敷くなどの対策をまず先にとってもらうようにしましょう。

人間関係のトラブルも増えています

子育てに関するトラブル事例で近年増加傾向にあるのが人間関係によるものです。

特にマンション内というのは狭い空間ですので、ちょっとしたきっかけで人間関係が悪化しそれが子供同士の関係に影響を与えてしまうこともあるようです。

実際にあった事例としては、親がマンション内のサークルから抜けたことをきっかけにマンション内で悪口を言いふらされてしまったり、子供が学校やマンション内で友達から遊んでもらえなくなったというようなこともありました。

そうした人間関係の問題は決定的な事件として発展するまでは表に出にくく、警察などの公的機関も介入しづらいことです。

仮に暴力行為が子供に対して行われていたとしたら、それはプライバシー権や人権の侵害事例となるので訴えたり学校や管理組合に停止することを申し出ることができます。

「悪いうわさを流された」「必要な連絡事項なども伝えられず村八分のように扱われた」ということも度が過ぎれば十分に損害賠償を請求できる事例となるので、あまりにもひどいという時には自治体などに相談をしてみるというのもよいかと思います。